第四回目のルール記事は昇華者の持つ能力について。

昇華者の持つ能力とは、対戦相手の追放領域からカードを墓地に戻すことで何かをする能力全般のことです。

この能力は誘発型能力と起動型能力が混在しており、少しややこしいものになっているので、まずはその区別をしていきましょう。


(コスト) 対戦相手の追放領域のカードをX枚墓地の置く:〜~する。

このような形で表記されているものは起動型能力である。したがってコストとして対戦相手の追放領域のカードを墓地に戻す必要がある。



このクリーチャーが戦場に出た時、〜を対象とする。あなたは対戦相手の追放領域のカードをX枚墓地においても良い。そうした場合対象の〜を〜~する。

このような表記の場合は誘発型能力である。この場合は対戦相手の追放領域を戻す事は能力の解決時に行うため、追放領域を戻すところまで許してしまった後にスペルを撃ったり能力を起動するタイミングは存在しない。また誘発型能力であるため、条件を満たせば例え相手に追放領域が無くとも必ず誘発する。



では細かいルールについても見ていきましょう。


①二枚以上のカードを追放領域から墓地に置くコスト及び能力は、対戦相手が複数存在するならそれぞれを別のプレイヤーの追放領域から選んでも良い。


ジェイスくんvsニッサちゃんvsチャンドラちゃんで多人数戦をしている時、ジェイスくんが《ウラモグの強奪者/Ulamog’s Despoiler》をプレイし着地した。このときジェイスくんはウラモグの強奪者の誘発型能力で、

・ニッサちゃんの追放領域2枚
      or
・チャンドラちゃんの追放領域2枚
      or
・ニッサちゃんと、チャンドラちゃんの追放領域1枚ずつ

のいずれかのパターンで追放領域のカードを対応する対戦相手の墓地に戻す事ができる。


②何らかのカードによって許可されていない限り、追放領域に裏向きに追放されているカードの表を見て選ぶ事はできない。


《ウラモグの強奪者/Ulamog’s Despoiler》で《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》によって追放されている対戦相手の裏向きのカードを追放領域から戻す場合、その表を見て選ぶことはできない。


③裏向きに追放されているカードは、それが「何によって追放されたか」と「いつ追放されたか」によって束に分けられており、裏向きのカードを追放領域から墓地に戻す場合には、まずそれらの分けられている束のうちから一つを選び、その後にその束の中から墓地に戻すカードを無作為に選ぶ。この操作を指定された枚数分行い、最後に選択したカードを全て墓地に送る。


対戦相手があるカードによって自身のカードを4枚裏向きに追放した後、今度は裏向きに3枚のカードを追放した(この時、最初の4枚と後の3枚はそれぞれ別の束になっている)。その後、自分は《ウラモグの強奪者/Ulamog’s Despoiler》をプレイし、対戦相手の追放領域から2枚を墓地に戻す誘発型能力が誘発した。

この場合、まず1枚目をどちらの束から戻すのかを選び、その束から無作為に1枚を選ぶ。2枚目も同様にどちらの束からカードを戻すのか選び、こちらも無作為に1枚を選ぶ。その後、両方を墓地に戻し、《ウラモグの強奪者/Ulamog’s Despoiler》に+1/+1カウンターを4つ乗せる。

(※参考:http://mtg-jp.com/rules/docs/faq_bfz_j.html)


④墓地に置かれるカードを墓地に置く代わりに追放する常在型能力持ちのパーマネントがある場合も、何の問題もなく追放領域から墓地にカードを戻す操作を行うことができる。しかしながらこの場合、追放領域から墓地に置かれそうになったカードは墓地に置かれることなく、新しいオブジェクトとして追放領域に置かれる。


自分の戦場に《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》がある状況で、自分の《ウラモグの強奪者/Ulamog’s Despoiler》の誘発型能力が誘発した。

この場合、対戦相手の追放領域のカード2枚を選んで墓地に戻す操作を行うが、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》の常在型能力によって、それらは墓地に置かれることなく、新しいオブジェクトとして追放領域に置かれる。その後《ウラモグの強奪者/Ulamog’s Despoiler》に+1/+1カウンターを4つ乗せる。

対戦相手の追放領域が1枚のみの場合は、上記のような状態であっても、2枚以上追放領域から墓地に戻すことによって解決される能力は立ち消え、2枚以上追放領域から墓地に戻すことをコストにした能力を起動することはできない。

これは、追放領域から2枚以上のカードを墓地に戻す場合、それら全てを同時に墓地に戻す必要があるからであり、追放領域からカードを1枚墓地に戻すコストを持つ能力を複数回起動することや、追放領域からカードを1枚墓地に戻す誘発型能力を複数回解決することは可能である。



こんな感じですかね!

気をつけるとしたら④と、誘発型能力と起動型能力の区別でしょうか!



りゅーき
第三回ルール記事、今回は戦乱のゼンディカーで新しく登場した「嚥下」についてです。

嚥下の公式ルール文章は以下の通りです。

702.114.嚥下
702.114a 嚥下は誘発型能力である。「嚥下」は、「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを追放する。」を意味する。

702.114b 1体のクリーチャーが複数の嚥下を持つなら、それらはそれぞれ個別に誘発する。



では詳しく解説していきましょう。


①嚥下は誘発型能力である。したがってスタックに積まれて解決されるのを待つことになり、嚥下のスタックでスペルを唱えたり、能力を起動することができる。


《霧の侵入者/Mist Intruder》が戦闘ダメージを与え嚥下が誘発し、それに対応して《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》のライブラリー操作能力を起動、デッキトップを不要なカードにするということも可能になる。


②嚥下が誘発するのはプレーヤーに戦闘ダメージを与えた時のみである。


《霧の侵入者/Mist Intruder》と対戦相手の末裔トークンを《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》で格闘した。


《霧の侵入者/Mist Intruder》での攻撃を対戦相手は《セラの天使/Serra Angel》でブロックした。

上記の2例ではプレーヤーに戦闘ダメージを与えていないため嚥下は誘発しない。
《霊力/Psionic Gift》(いわゆるティム能力を付与するオーラ)をエンチャントした《霧の侵入者/Mist Intruder》の起動型能力で対戦相手に1点のダメージを与えた。

この場合は戦闘ダメージでないため嚥下は誘発しない。嚥下するにはあくまで戦闘ダメージを対戦相手に与える必要がある。


③嚥下によって追放されるカードは表向きである。

裏向きで追放されるようなことはない。


④対戦相手のライブラリーが0枚の時に嚥下が誘発した場合は何も起こらない。ライブラリートップを追放できないからと言ってゲームに敗北することはない。

マジックにおいて状況起因処理による敗北条件は、

・ライフが0以下になる。
・毒カウンターを10個以上もつ
・ライブラリーアウトする

であると定められている。

(※参考:http://mtgwiki.com/wiki/%E6%95%97%E5%8C%97%E6%9D%A1%E4%BB%B6)

ライブラリーアウトの定義が、0枚のライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーはゲームに敗北するというものであるため、ライブラリーが0枚の状態で嚥下が誘発したとしても、ゲームに敗北することはない。


⑤嚥下は個別に誘発するため、何らかの能力によってクリーチャーに嚥下を与える能力が存在した場合、嚥下は重複する。


何らかの能力によって複数の嚥下を持った《霧の侵入者/Mist Intruder》が対戦相手に戦闘ダメージを与えた場合、所持している嚥下の個数分嚥下が誘発する。




嚥下の解説だけで思いの外長くなってしまったので、昇華者の持つ能力については次の記事で。



りゅーき
ルール記事第二回は戦乱のゼンディカーで登場した新しい能力「欠色」について!

この能力を一言でまとめると「このカードは無色である」と非常にシンプルですが、少し詳しく見ていきましょう。


①欠色持ちのカードは単に無色である。故にマナシンボルに色を含んだとしても無色である。赤であり無色であるや黒であり赤であり無色であるとはならない。


《希望を溺れさせるもの/Drowner of Hope》はマナコストが(5)(青)であるが無色である。青ではない。


②もし他のカードの効果で欠色持ちのカードに色を与えた場合はその与えた色になる。無色でありその色であるとはならない。


《真に暗き時間/Darkest Hour》(すべてのクリーチャーは黒である)が場にあるときの《塵の予言者/Oracle of Dust》は黒である。


③欠色持ちのカードはすべての領域で無色である。ライブラリー、手札、墓地、追放領域、スタック、ゲーム外、何処にあろうと無色である。


緑のカードをライブラリーからサーチするカードで、《血統の観察者/Brood Monitor》はサーチできない。


プロテクション(赤)を持っているクリーチャーを《粗暴な排除/Brutal Expulsion》で対象にとったりダメージを与えたりできる。


《氷固め/Encase in Ice》で戦場の《血統の観察者/Brood Monitor》を対象に取ることはできない。


《血統の観察者/Brood Monitor》は《瞬間凍結/Flashfreeze》で打ち消されない。


④カードが欠色能力を失っても以前として無色である。

詳しくは割愛しますが、興味のある人は「特性定義能力」を調べてみてください。

(※参考:http://mtgwiki.com/wiki/%E7%89%B9%E6%80%A7%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E8%83%BD%E5%8A%9B)


⑤欠色能力はカードの色にのみ作用する。カードの固有色には影響を及ぼさないため、赤緑の統率者のデッキに固有色が青である《塵の予言者/Oracle of Dust》を採用することはできない。

(※:固有色とは、カードの色、マナシンボルの色、ルール文章に含まれるマナシンボルの色によって決まる色のことで、マナシンボルに青を含む《塵の予言者/Oracle of Dust》の固有色は青になります。)



欠色に関しては以上です。

⑤に関しては僕もどっちかわからず、友人のレベル1ジャッジや、ショップ店員に質問してきました。笑

次回は……嚥下及び昇華者の持つ能力についてまとめていこうと思います。

お付きあいありがとうございました。



りゅーき
というわけで毎回毎回語りに任せてるわけにもいかず、今回はりゅーきの記事です!

海外記事の翻訳やマジックの構築なんかの記事は語りがやってくれるので、僕の記事では基本的にカード効果やターンの処理など、基本的なルールについて書いていくつもりです。

では第一回目は、新しく変わったマリガンルール(通称バンクーバーマリガン)について。

(※参考Ⅰ:http://mtg-jp.com/publicity/0015530/)


今回のルール変更で、
すべてのプレーヤーがゲーム開始時の手札を決定した後に、ゲーム開始時の手札の枚数が、初期手札枚数より少ないプレーヤーはライブラリーの一番上のカードを見ても良い。その後そのプレーヤーはそのカードをライブラリーの一番下においても良い。

というマリガンルールの変更がありました。

簡単にまとめると、マリガンすると占術1ができるようになったという訳です。

この新ルールを適用する際にいくつか注意点がありまして、

①占術を行うのはすべてのプレーヤーがマリガンをし終わった後である。

②複数のプレーヤーがマリガンを行っていた場合、ターンプレーヤーが先に占術1を行い、その後ターンが回ってくる順番に占術1を行う。

③何回マリガンしようと占術2や占術3になったりはしない。

④占術を行えるかどうかは、マリガンを行ったかどうかではなく、手札が初期手札を下回っていているかどうかを参照するので、たとえマリガンしていても、初期手札の枚数を下回っていなければ占術1はできない(統率者戦や一部の多人数戦では、一回目に限り手札を減らさずにマリガンできるルールがある)。

⑤《血清の粉末/Serum Powder》は占術1を行う前に挙動を行う必要がある。

⑥マリガンしたプレイヤーは占術1をした後に、力戦サイクルや大長サイクル、《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》といった、ゲーム開始時の手札にあることを参照する能力を解決する。


というものです。


占術してからキープするかどうかを判断したりといったことは不可能で、あくまでキープした後に占術を行うことに注意してくださいね!


(参考Ⅱ「力線サイクル」:http://mtgwiki.com/wiki/%E5%8A%9B%E7%B7%9A)
(参考Ⅲ「大長サイクル」:http://mtgwiki.com/wiki/%E5%A4%A7%E9%95%B7)
(参考Ⅳ《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》:http://mtgwiki.com/wiki/%E5%AE%9D%E7%9F%B3%E3%81%AE%E6%B4%9E%E7%AA%9F/Gemstone_Caverns)
Gemstone Caverns / 宝石の洞窟
伝説の土地
宝石の洞窟があなたのゲーム開始時の手札にあり、かつあなたが先攻でない場合、あなたはそれが運勢(luck)カウンターを1個置いて戦場に出ている状態でゲームを開始してもよい。そうした場合、あなたの手札にあるカードを1枚、追放する。
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。宝石の洞窟に運勢カウンターが置かれている場合、代わりにあなたのマナ・プールに好きな色1色のマナ1点を加える。

(参考Ⅴ《血清の粉末/Serum Powder》:http://mtgwiki.com/wiki/%E8%A1%80%E6%B8%85%E3%81%AE%E7%B2%89%E6%9C%AB/Serum_Powder)
Serum Powder / 血清の粉末 (3)
アーティファクト
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
あなたがマリガンをでき、かつ血清の粉末があなたの手札にあるときならいつでも、あなたは「あなたの手札のカードをすべて追放し、その後、同じ枚数のカードを引く」ことを選んでもよい。(あなたはマリガンに加えてこれを行うことができる。)



このマリガンルール変更によって、土地一枚でキープしても二ターン目までに
先手なら最高で2枚、後手なら3枚分デッキを見ることができるので、事故で負ける可能性が多少は緩和されたかなと思いますね。

プロの中では意見が分かれるようなので、そちらもぜひ参考にしてみてください!

(参考⑤:https://dig.cards/columns/wmcq2015_nagoya/quick02)


マリガンについては以上です!

次回の記事は戦乱のゼンディカーででた能力について!


※僕はジャッジ資格等はまだ持っておらず、レベル0ジャッジという身分です。もしルール解釈等に間違いがございましたら。コメント等でご連絡等よろしくお願い申し上げます。



りゅーき

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