今回はmtgmintcardよりJoel Larssonによる戦乱のゼンディカーの土地事情解説記事を紹介します。
省略、意訳、行間の補足等を含みますので、是非原文(http://www.mtgmintcard.com/articles/writers/joel-larsson/the-lands-of-battle-for-zendikar)もご覧ください。
以下翻訳
旧ゼンディカーブロックの土地サイクルが発表された時、それらは熱烈な歓迎を持って迎えられた。
既に公開されている戦乱のゼンディカーの新しい土地サイクルも、全く同じような歓迎を受けるだろう。
新しいデザインのデュアルランドは、特にスタンダードにおいて大きな影響力を及ぼすことが予想されるが、それらをデッキに組み込む際に留意しなければならないことがある。
まず覚えておかないといけないのが、これらのデュアルランドが対応する基本土地タイプを併せ持つことである。
つまりこれらはタルキール覇王譚のフェッチランドから持ってこれることを意味しており、一つのフェッチランドから5種類もの土地をサーチしてこれるようになった。(例えば《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》であれば、《森/Forest》、《平地/Plains》に加え、《大草原の川Prairie Stream》、《燃えがらの林間地Cinder Glade》、《梢の眺望/Canopy Vista》の5種類をサーチできる。)
このことは、スタンダードにおけるマナ基盤を未だかつてないほどに安定させることになるだろう。
新しいスポイラーが発表されるごとに、既存のカードプールを見返すことを怠ってはならない。なぜなら、新しいカードのリリースによって、その価値が大きく上がるカードが存在するからである。
例えば《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 》がこれまで《平地/Plains》しか持って来れなかったのに対し、戦乱のゼンディカー以降は《大草原の川/Prairie Stream》と《梢の眺望/Canopy Vista》をサーチできるようになるのだ。
新デュアルランドがもたらす試合展開
a)新デュアルランドから設置していく場合
新デュアルランドの登場によって、これまでのゲームプランを見直す必要が出てきた。
そのマナ拘束の厳しさから、アブザンアグロにおける2マナ域が《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》から《搭載歩行機械/Hangarback Walker》にとって代わられたことは印象に新しいが、ここではサンプルとしてダブルマリガン後に《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》、《沼/Swamp》、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdeale》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》という手札をキープしたことを想定する。
1ターン目に《吹きさらしの荒野/Windswept Health》から《梢の眺望Canopy Vista》をタップイン、2ターン目に《沼/Swamp》セットから《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdeale》を展開したとしよう。
上々の展開に見えるが、《先頭に立つものアナフェンザ/Anafenza, the Foremos》と《アブザンの魔除け/Abzan Charm》をプレイすることは困難になってしまっている。
なぜなら、3枚目の土地として《梢の眺望/Canopy Vista》を引いたとしてもそれはタップインになってしまうし、他のタップインランドや《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》を引いてきたとしてもマナカーブに沿った展開ができないからだ。
b)2枚の基本土地から設置していく場合
2枚の基本土地を先に設置した場合、新タップインランドは《Tropical Island》や《Underground Sea》と遜色無い性能を有すようになる。
フェッチランドからサーチできるアンタップインデュアルランドの存在は、スタンの構築シーンをさながらモダンであるかのようにさせる。
デッキに多くのフェッチランドを入れ、好きな時に望み通りの土地を持って来れるようにすれば、いわゆる引きムラを無くせるのだ。
友好2色
同じ種類の基本土地を2枚以上持ってくることはしたくないが、新デュアルランドをアンタップインするためにも、基本土地とそれに対応するフェッチランドはできるだけ多くデッキに入れたい。そのために考えるられることがいくつかあるだろう。
新デュアルランドに対応する色のフェッチランドが環境に存在することから、次の環境のスタンにおいては対抗色よりも有効色の方がマナ基盤が強固になると考えられる。
次期環境で白緑のアグロかミッドレンジを組むとしたら、そのマナベースは概ね以下のようになるだろう。
24枚の土地で白緑それぞれ18枚のカウントができる、大変優れたマナベースだ。
単色に近いデッキや、タッチカラーを採用したデッキのマナベースも、これまでより更に洗練されたものになるだろう。
以下はPTタルキール龍騎伝でMartin Danが使用したアタルカレッドである。
これまでアタルカレッドには、ペイライフの激しい《マナの合流点/Mana Confluence》や、ノイズになりがちな《森/Forest》、《奔放の神殿/Temple of Abandon》の使用が余儀なくされていた。
しかしそれもここまで。次期環境の潤沢なマナベースなら以下のような土地構成が可能となる。
このようなマナベースであれば、単色デッキに《アタルカの命令/Atarka’s Command》や《強大化/Become Immense》といったカードをタッチするのが容易になるだろう。
参考程度にローテーション後のアタルカレッドを考えてみる。欲を言うなら《稲妻の一撃に/Lightning Strike》代わるカードが来れば完璧だ。
弧の3色
アラーラの断片がリリースされて以降、友好3色の組み合わせは「弧」と呼ばれる。
弧の3色には、8枚のフェッチランドと8枚の新デュアルランドの組み合わせが含まれるため、そのマナベースは未だかつて無い程に優れたものになるだろう。
例えばエスパーカラーであれば、《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》と《汚染された三角州/Polluted Delta》を4枚ずつ採用すれば、3ターン目までに望む色の基本土地を置くことは容易であるし、それ以降は《大草原の川/Prairie Stream》と《窪み渓谷/Sunken Hollow》をアンタップインすることができるようになる。
ジャンドカラーであれば、2ターン目に《沼/Swamp》と《森/Forest》から《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》を出した後、《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》か《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》があれば、3ターン目には《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command 》、《破滅の道/Ruinous Path》のようなマナ拘束のきついカードにもアクセスできるようになる。
更には、2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》、3ターン目には《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer》、そして4ターン目に《徴税の大天使/Archangel of Tithes》を出したいという無理な要望も難なくまかり通ってしまうのだ。
楔の3色
友好2色と共通の対抗1色の組み合わせは「楔」と呼ばれ、タルキール次元の氏族に肖った呼称をされることが多い。
楔の3色は弧の3色には無いタップイントライランドを有するが、フェッチランドと新デュアルランドは1種類ずつしか持たないため、マナ基盤の完成度は弧の3色に水をあけられる形になる。
1ターン目にトライランドの《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》を置いたとしたら、《梢の眺望/Canopy Vista》をアンタップインするのは、少なくとも4ターン目以降になってしまうのだ!
これは対抗2色のダメージランドから置いた場合も同様で、楔3色の組み合わせはやや遅い展開を強いられることになるだろう。
とは言ったものの、楔の3色が環境から姿を消すことはまず無いだろう。何と言ってもこの色の組み合わせには、タルキールブロックでデザインされた《包囲ササイSiege Rhino》や《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》といった強力なカードが存在するのだから!
新しいミシュラランド
旧ゼンディカーぶりにミシュラランドが収録されることがアナウンスされたばかりであるが、《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》に始まるこのメカニズムは、フォーマットを越えて長らく結果を残し続けている。
《変わり谷/Mutavault》は部族デッキの垣根を越えて多くの単色デッキやコントロールデッキで幅広く使われているし、《怒り狂う山峡/Raging Ravine》はジャンドデッキをネクストレベルにまで押し上げた。《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》に至っては多くのプレイヤーを2ターン目に突然死させてきたのだ!
ワールドウェイクで有効色のミシュラランドがリリースされていたため、対抗色のミシュラランドが収録されることに別段驚きはしないだろう。
この対抗色のミシュラランドは現時点で《伐採地の滝/Lumbering Falls》と《乱脈な気孔/Shambling Vent》が公開されており、次エキスパンションであるゲートウォッチの誓いにまたがってサイクルが形成されることが明言されている。
ワールドウェイクのミシュラランドは、赤黒ヴァンパイアで《溶岩爪の辺境/Lavaclaw Reaches》がフィニッシャーであった以外はミッドレンジやコントロールでの運用が主だった。
その理由の最たるとしては、ミッドレンジやコントロールがミシュラランドのタップインを許容できることが大きい。タップインさえ許容できれば、そのテンポロスを補って余るほどの力がミシュラランドにはあったのだ。
例えば当時のスタンダードの青白コントロールでは、2枚の《天界の列柱/Celestial Colonnade》を起動するだけの余裕があり、リセット手段である《審判の日/Day of Judgment》に巻き込まれないクロックとして重宝された。
新環境でもとりわけ《伐採地の滝/Lumbering Falls》は、《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》等を持っていないコントロールに対して大きな脅威になり得るであろう。
現状のメタゲームには《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》と各種占術ランドがあり、緑軸のデッキで採られる、多くの土地を並べて強力なスペルを唱えるというコンセプトを支え続けてきた訳だが、これらがスタン落ちしてしまった後に、緑軸のミッドレンジがスタンダードで使われるかどうかについては懐疑的なものがある。
もう一つの懸念は、スタンダードにおいて今回収録されなかったミシュラランドを擁する色の組み合わせが、次のゲートウォッチの誓いがリリースされるまであまり使われないのではないのかということだ。一時的であるとはいえ、色の強さに優劣がつくのはあまり好ましいことではない。
以上翻訳
新デュアルランドのいい呼び方があったら教えてください(切実)
語り
省略、意訳、行間の補足等を含みますので、是非原文(http://www.mtgmintcard.com/articles/writers/joel-larsson/the-lands-of-battle-for-zendikar)もご覧ください。
以下翻訳
旧ゼンディカーブロックの土地サイクルが発表された時、それらは熱烈な歓迎を持って迎えられた。
既に公開されている戦乱のゼンディカーの新しい土地サイクルも、全く同じような歓迎を受けるだろう。
新しいデザインのデュアルランドは、特にスタンダードにおいて大きな影響力を及ぼすことが予想されるが、それらをデッキに組み込む際に留意しなければならないことがある。
まず覚えておかないといけないのが、これらのデュアルランドが対応する基本土地タイプを併せ持つことである。
・《梢の眺望Canopy Vista》(森+平地)
・《燃えがらの林間地/Cinder Glade》(山+森)
・《大草原の川/Prairie Stream》(平地+島)
・《燻る湿地/Smoldering Marsh》(沼+山)
・《窪み渓谷/Sunken Hollow》(島+沼)
つまりこれらはタルキール覇王譚のフェッチランドから持ってこれることを意味しており、一つのフェッチランドから5種類もの土地をサーチしてこれるようになった。(例えば《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》であれば、《森/Forest》、《平地/Plains》に加え、《大草原の川Prairie Stream》、《燃えがらの林間地Cinder Glade》、《梢の眺望/Canopy Vista》の5種類をサーチできる。)
このことは、スタンダードにおけるマナ基盤を未だかつてないほどに安定させることになるだろう。
新しいスポイラーが発表されるごとに、既存のカードプールを見返すことを怠ってはならない。なぜなら、新しいカードのリリースによって、その価値が大きく上がるカードが存在するからである。
例えば《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 》がこれまで《平地/Plains》しか持って来れなかったのに対し、戦乱のゼンディカー以降は《大草原の川/Prairie Stream》と《梢の眺望/Canopy Vista》をサーチできるようになるのだ。
新デュアルランドがもたらす試合展開
a)新デュアルランドから設置していく場合
新デュアルランドの登場によって、これまでのゲームプランを見直す必要が出てきた。
そのマナ拘束の厳しさから、アブザンアグロにおける2マナ域が《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》から《搭載歩行機械/Hangarback Walker》にとって代わられたことは印象に新しいが、ここではサンプルとしてダブルマリガン後に《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》、《沼/Swamp》、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdeale》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》という手札をキープしたことを想定する。
1ターン目に《吹きさらしの荒野/Windswept Health》から《梢の眺望Canopy Vista》をタップイン、2ターン目に《沼/Swamp》セットから《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdeale》を展開したとしよう。
上々の展開に見えるが、《先頭に立つものアナフェンザ/Anafenza, the Foremos》と《アブザンの魔除け/Abzan Charm》をプレイすることは困難になってしまっている。
なぜなら、3枚目の土地として《梢の眺望/Canopy Vista》を引いたとしてもそれはタップインになってしまうし、他のタップインランドや《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》を引いてきたとしてもマナカーブに沿った展開ができないからだ。
b)2枚の基本土地から設置していく場合
2枚の基本土地を先に設置した場合、新タップインランドは《Tropical Island》や《Underground Sea》と遜色無い性能を有すようになる。
フェッチランドからサーチできるアンタップインデュアルランドの存在は、スタンの構築シーンをさながらモダンであるかのようにさせる。
デッキに多くのフェッチランドを入れ、好きな時に望み通りの土地を持って来れるようにすれば、いわゆる引きムラを無くせるのだ。
友好2色
同じ種類の基本土地を2枚以上持ってくることはしたくないが、新デュアルランドをアンタップインするためにも、基本土地とそれに対応するフェッチランドはできるだけ多くデッキに入れたい。そのために考えるられることがいくつかあるだろう。
新デュアルランドに対応する色のフェッチランドが環境に存在することから、次の環境のスタンにおいては対抗色よりも有効色の方がマナ基盤が強固になると考えられる。
次期環境で白緑のアグロかミッドレンジを組むとしたら、そのマナベースは概ね以下のようになるだろう。
4:《吹きさらしの荒野》
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills 》
4:《梢の眺望/Canopy Vista》
6:《平地/Plains》
6:《森/Forest》
24枚の土地で白緑それぞれ18枚のカウントができる、大変優れたマナベースだ。
単色に近いデッキや、タッチカラーを採用したデッキのマナベースも、これまでより更に洗練されたものになるだろう。
以下はPTタルキール龍騎伝でMartin Danが使用したアタルカレッドである。
Martin Dang - 「赤単タッチ緑アグロ」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 優勝
土地:20
10:《山/Mountain》
1:《森/Forest》
4:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
1:《奔放の神殿/Temple of Abandon》
4:《マナの合流点/Mana Confluence》
クリーチャー:15
4:《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》
4:《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
3:《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》
1:《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》
1:《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker》
2:《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
呪文:25
4:《乱撃斬/Wild Slash》
4:《アタルカの命令/Atarka’s Command》
4:《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》
4:《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4:《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
4:《かき立てる炎/Stoke the Flames》
1:《強大化/Become Immense》
サイドボード:15
4:《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
2:《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
1:《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
4:《焙り焼き/Roast》
1:《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
1:《洗い流す砂/Scouring Sands》
2:《凱旋の間/Hall of Triumph》
これまでアタルカレッドには、ペイライフの激しい《マナの合流点/Mana Confluence》や、ノイズになりがちな《森/Forest》、《奔放の神殿/Temple of Abandon》の使用が余儀なくされていた。
しかしそれもここまで。次期環境の潤沢なマナベースなら以下のような土地構成が可能となる。
4:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3:《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
9:《山/Mountain》
このようなマナベースであれば、単色デッキに《アタルカの命令/Atarka’s Command》や《強大化/Become Immense》といったカードをタッチするのが容易になるだろう。
参考程度にローテーション後のアタルカレッドを考えてみる。欲を言うなら《稲妻の一撃に/Lightning Strike》代わるカードが来れば完璧だ。
土地:17
9:《山/Mountain》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
3:《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
クリーチャー:17
4:《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4:《ゴブリンの栄光追い/Goblin Glory Chaser》
2:《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker》
4:《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》
3:《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》
呪文:23
1:《焦熱の衝動/Fiery Impulse》
4:《乱撃斬/Wild Slash》
4:《アタルカの命令/Atarka’s Command》
4:《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》
2:《焙り焼き/Roast》
4:《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
4:《極上の炎技/Exquisite Firecraft》
弧の3色
アラーラの断片がリリースされて以降、友好3色の組み合わせは「弧」と呼ばれる。
・エスパー(白青黒)
・グリクシス(青黒赤)
・ジャンド(黒赤緑)
・ナヤ(赤緑白)
・バント(緑白青)
弧の3色には、8枚のフェッチランドと8枚の新デュアルランドの組み合わせが含まれるため、そのマナベースは未だかつて無い程に優れたものになるだろう。
例えばエスパーカラーであれば、《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》と《汚染された三角州/Polluted Delta》を4枚ずつ採用すれば、3ターン目までに望む色の基本土地を置くことは容易であるし、それ以降は《大草原の川/Prairie Stream》と《窪み渓谷/Sunken Hollow》をアンタップインすることができるようになる。
ジャンドカラーであれば、2ターン目に《沼/Swamp》と《森/Forest》から《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》を出した後、《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》か《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》があれば、3ターン目には《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command 》、《破滅の道/Ruinous Path》のようなマナ拘束のきついカードにもアクセスできるようになる。
更には、2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》、3ターン目には《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer》、そして4ターン目に《徴税の大天使/Archangel of Tithes》を出したいという無理な要望も難なくまかり通ってしまうのだ。
楔の3色
友好2色と共通の対抗1色の組み合わせは「楔」と呼ばれ、タルキール次元の氏族に肖った呼称をされることが多い。
・ジェスカイ(白青赤)
・スゥルタイ(青黒緑)
・マルドゥ(黒赤白)
・ティムール(赤緑青)
・アブザン(緑白黒)
楔の3色は弧の3色には無いタップイントライランドを有するが、フェッチランドと新デュアルランドは1種類ずつしか持たないため、マナ基盤の完成度は弧の3色に水をあけられる形になる。
1ターン目にトライランドの《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》を置いたとしたら、《梢の眺望/Canopy Vista》をアンタップインするのは、少なくとも4ターン目以降になってしまうのだ!
これは対抗2色のダメージランドから置いた場合も同様で、楔3色の組み合わせはやや遅い展開を強いられることになるだろう。
とは言ったものの、楔の3色が環境から姿を消すことはまず無いだろう。何と言ってもこの色の組み合わせには、タルキールブロックでデザインされた《包囲ササイSiege Rhino》や《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》といった強力なカードが存在するのだから!
新しいミシュラランド
旧ゼンディカーぶりにミシュラランドが収録されることがアナウンスされたばかりであるが、《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》に始まるこのメカニズムは、フォーマットを越えて長らく結果を残し続けている。
《変わり谷/Mutavault》は部族デッキの垣根を越えて多くの単色デッキやコントロールデッキで幅広く使われているし、《怒り狂う山峡/Raging Ravine》はジャンドデッキをネクストレベルにまで押し上げた。《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》に至っては多くのプレイヤーを2ターン目に突然死させてきたのだ!
ワールドウェイクで有効色のミシュラランドがリリースされていたため、対抗色のミシュラランドが収録されることに別段驚きはしないだろう。
この対抗色のミシュラランドは現時点で《伐採地の滝/Lumbering Falls》と《乱脈な気孔/Shambling Vent》が公開されており、次エキスパンションであるゲートウォッチの誓いにまたがってサイクルが形成されることが明言されている。
ワールドウェイクのミシュラランドは、赤黒ヴァンパイアで《溶岩爪の辺境/Lavaclaw Reaches》がフィニッシャーであった以外はミッドレンジやコントロールでの運用が主だった。
その理由の最たるとしては、ミッドレンジやコントロールがミシュラランドのタップインを許容できることが大きい。タップインさえ許容できれば、そのテンポロスを補って余るほどの力がミシュラランドにはあったのだ。
例えば当時のスタンダードの青白コントロールでは、2枚の《天界の列柱/Celestial Colonnade》を起動するだけの余裕があり、リセット手段である《審判の日/Day of Judgment》に巻き込まれないクロックとして重宝された。
新環境でもとりわけ《伐採地の滝/Lumbering Falls》は、《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》等を持っていないコントロールに対して大きな脅威になり得るであろう。
現状のメタゲームには《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》と各種占術ランドがあり、緑軸のデッキで採られる、多くの土地を並べて強力なスペルを唱えるというコンセプトを支え続けてきた訳だが、これらがスタン落ちしてしまった後に、緑軸のミッドレンジがスタンダードで使われるかどうかについては懐疑的なものがある。
もう一つの懸念は、スタンダードにおいて今回収録されなかったミシュラランドを擁する色の組み合わせが、次のゲートウォッチの誓いがリリースされるまであまり使われないのではないのかということだ。一時的であるとはいえ、色の強さに優劣がつくのはあまり好ましいことではない。
以上翻訳
新デュアルランドのいい呼び方があったら教えてください(切実)
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