【翻訳】Bluffing By Jacob Wilson
2015年9月11日 【翻訳】今回はChannel FireballよりJacob Wilsonのブラフテクニックを紹介します。
省略、意訳、行間の補足等を含みますので、是非原文(http://www.channelfireball.com/articles/bluffing/)もご覧ください。
まず第一にブラフとは
TCG等のゲームではもっぱら1の意味で使います。
弱い手札を強く見せたり、持っていないコンバットトリックをあたかも持っているかのように振る舞ったりすることをブラフと呼ぶわけですね。
以下翻訳
1.リスクが全く無い場面でのブラフ
あなたがどんな状況であれ、必ずブラフを仕掛けるべきタイミングがある。それはブラフにリスクを伴わない場合だ。
想像してみてほしい。あなたはスタンのアブザンミラーを戦っている。
今あなたの場には《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》が2枚と、《平地/Plains》が1枚、全てアンタップ状態で置かれており、召喚酔いの解けた《サテュロスの道探し/satyr Wayfinder》が1枚場に出ている。
対する相手の場には《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》と《平地/Plains》がタップ状態で存在し、場にはアンタップ状態の《森の女人像/Sylvan Caryatid》が出ている。
この状況であなたは何をすべきか。
この状況で《サテュロスの道探し/satyr Wayfinder》がアタックしてきたのなら、あなたの手札にそれがあろうと無かろうと、相手は《アブザンの魔除け/Abzan Charm》の存在を否が応でも意識しなければならない。本来なら通らないはずの1点を通せるかもしれない場面だ。
この場面はすなわち”殴り得”なのである。
構築における赤単のような早いデッキを相手取る場合はこの限りではないが、ゲームスピードが比較的遅く、除去の乏しいリミテッドにおいて、このブラフを積み重ねることは非常に重要になってくる。
もう一つ、BFZリミテッドで起こり得るであろう一場面を例にとってみよう。
お互いの場の《エルドラージを壊滅させるもの/Eldrazi Devastator》(8/9トランプル)がにらみ合っている。
この場面であなたがコンバットトリックを持っていない場合、ただ単に攻撃を仕掛けるのはリスクが大きい場面だ。
あなたのアタックをブロックされた返しに、相手のアタックにより8点のダメージを受ける最悪のシナリオが想定されるからだろう。
このような場合はブラフ以前に、相手の置かれている状況を相手の立場に立って考えてみるのが大切である。
仮に相手の残りライフが少ない状況であるならば、相手は《エルドラージを壊滅させるもの/Eldrazi Devastator》をコンバットトリックによって失う可能性を加味しつつも、ライフを守るためにブロックすることを選択するであろう。
こうなってしまっては最早ブラフは意味を成さない。むしろ場合によっては”殴り損”になってしまうので注意が必要だ。
しかし、同じエルドラージ同士の対面でも、場合によってはブラフが有効に働き、攻撃を仕掛けることが肯定される場面が存在する。
相手がタップアウトしており、なおかつ相手のライフに余裕がある場合、相手はコンバットトリックの脅威を避けつつ次のターンにマナを立てて構えるために、8点のダメージを甘んじるだろう。
このような場面においては、あなたがコンバットトリックを持っているいないその如何を問わず攻撃が通るのであるから、追加のエルドラージ等で守りを固めることができるのであれば”殴り得”、“ブラフし得”である。
的確に状況を見極め、リスクの無いブラフを有効に活用しよう。
2.相手がアンタップ状態のボムクリーチャーをコントロールしている場面でのブラフ
相手がボムクリーチャーを繰り出してきて万事休す...リミテッドをプレイしているときにはよく見かける光景だ。
相手からすれば、ボムクリーチャーを手にし、ましてやそのクリーチャーがゲームを決めようとしているのだ。これ以上無く気分が良いだろう。
当たり前のことであるが、カードのレアリティがゲームに影響を及ぼすことは無い。そんなことよりも、ゲームの勝筋をしっかり考えることの方がよっぽど大切だ。
今年の世界選手権のスタンダードラウンドでOndrej Straskyと対戦した時も、相手の場にアンタップ状態の《竜王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》がいるにも関わらず、予示クリーチャーをレッドゾーンに送った。裏向きのカードが《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》かもしれないという強烈なブラフを仕掛けたのである。
このように相手が大きなリスクを背負ってブロックに向かったところで、得られるリターンがあまりにも小さいような場面は“殴り得”である。
20点の内の2点のダメージで決着がつくことはそうそう無いだろうという判断もあったが(実際にこのゲームは彼が勝った)、本来なら通らないはずの攻撃を通せたのはブラフがうまく効いたからだ。
3.変異と予示におけるブラフ
変異と予示のメカニズムがスタンダードの環境に存在し続ける限り、裏向きのクリーチャーには常にブラフを仕掛けられるチャンスがある。
その一番の理由は何といっても《棲み家の防御者/Den Protector》と《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》の存在があるからだろう。
5ターン目に墓地を見ながら《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》を変異で唱えたとしたら、誰しもそれが《棲み家の防御者/Den Protector》だという錯覚にとらわれてしまうのだ。ブラフの腕の見せ所である。
4.敗色濃厚である場面でのブラフ
ゲームの負けがほぼ確定している場合は、次のゲームを勝つためにターンを費やそう。
仮にフライヤーによって2ターン以内に負けてしまうような場面なら、地上のフルアッタクを繰り返して相手を試してやるのが良い。こんな行為ですらブラフになり得るのだ。
例えこのような場面でブラフを仕掛けたとして、盤面が好転することはまず無いのだが、突如としてフルアタックを仕掛けられた時の相手の反応を窺うことができれば、それは次のゲームに活かせるかもしれない。
5.中級者以上上級者未満とのマッチアップでのブラフ
TOP8にはよく入るものの、中々勝ち切れず、それでいてTOP8で満足しているような中級者以上上級者未満の人間は、自分のミスを恐れ、なおかつ“うまぶりたがる”傾向にある。
そういう人を相手にした時こそがチャンスだ!堅実なプレイと的確な状況判断に裏打ちされたブラフでしゃくってやれ!
以上翻訳
※記事の構成上、原文とは順序が異なる部分と割愛された部分があります。
最後を言いたいが為の記事でした。
語り
省略、意訳、行間の補足等を含みますので、是非原文(http://www.channelfireball.com/articles/bluffing/)もご覧ください。
まず第一にブラフとは
【動詞】
1〈人を〉はったり[こけおどし]でだます.
2〈人を〉脅して[だまして]〔…を〕させる 〔into〕
weblio英和和英辞書より
TCG等のゲームではもっぱら1の意味で使います。
弱い手札を強く見せたり、持っていないコンバットトリックをあたかも持っているかのように振る舞ったりすることをブラフと呼ぶわけですね。
以下翻訳
1.リスクが全く無い場面でのブラフ
あなたがどんな状況であれ、必ずブラフを仕掛けるべきタイミングがある。それはブラフにリスクを伴わない場合だ。
想像してみてほしい。あなたはスタンのアブザンミラーを戦っている。
今あなたの場には《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》が2枚と、《平地/Plains》が1枚、全てアンタップ状態で置かれており、召喚酔いの解けた《サテュロスの道探し/satyr Wayfinder》が1枚場に出ている。
対する相手の場には《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》と《平地/Plains》がタップ状態で存在し、場にはアンタップ状態の《森の女人像/Sylvan Caryatid》が出ている。
この状況であなたは何をすべきか。
この状況で《サテュロスの道探し/satyr Wayfinder》がアタックしてきたのなら、あなたの手札にそれがあろうと無かろうと、相手は《アブザンの魔除け/Abzan Charm》の存在を否が応でも意識しなければならない。本来なら通らないはずの1点を通せるかもしれない場面だ。
この場面はすなわち”殴り得”なのである。
構築における赤単のような早いデッキを相手取る場合はこの限りではないが、ゲームスピードが比較的遅く、除去の乏しいリミテッドにおいて、このブラフを積み重ねることは非常に重要になってくる。
もう一つ、BFZリミテッドで起こり得るであろう一場面を例にとってみよう。
お互いの場の《エルドラージを壊滅させるもの/Eldrazi Devastator》(8/9トランプル)がにらみ合っている。
この場面であなたがコンバットトリックを持っていない場合、ただ単に攻撃を仕掛けるのはリスクが大きい場面だ。
あなたのアタックをブロックされた返しに、相手のアタックにより8点のダメージを受ける最悪のシナリオが想定されるからだろう。
このような場合はブラフ以前に、相手の置かれている状況を相手の立場に立って考えてみるのが大切である。
仮に相手の残りライフが少ない状況であるならば、相手は《エルドラージを壊滅させるもの/Eldrazi Devastator》をコンバットトリックによって失う可能性を加味しつつも、ライフを守るためにブロックすることを選択するであろう。
こうなってしまっては最早ブラフは意味を成さない。むしろ場合によっては”殴り損”になってしまうので注意が必要だ。
しかし、同じエルドラージ同士の対面でも、場合によってはブラフが有効に働き、攻撃を仕掛けることが肯定される場面が存在する。
相手がタップアウトしており、なおかつ相手のライフに余裕がある場合、相手はコンバットトリックの脅威を避けつつ次のターンにマナを立てて構えるために、8点のダメージを甘んじるだろう。
このような場面においては、あなたがコンバットトリックを持っているいないその如何を問わず攻撃が通るのであるから、追加のエルドラージ等で守りを固めることができるのであれば”殴り得”、“ブラフし得”である。
的確に状況を見極め、リスクの無いブラフを有効に活用しよう。
2.相手がアンタップ状態のボムクリーチャーをコントロールしている場面でのブラフ
相手がボムクリーチャーを繰り出してきて万事休す...リミテッドをプレイしているときにはよく見かける光景だ。
相手からすれば、ボムクリーチャーを手にし、ましてやそのクリーチャーがゲームを決めようとしているのだ。これ以上無く気分が良いだろう。
当たり前のことであるが、カードのレアリティがゲームに影響を及ぼすことは無い。そんなことよりも、ゲームの勝筋をしっかり考えることの方がよっぽど大切だ。
今年の世界選手権のスタンダードラウンドでOndrej Straskyと対戦した時も、相手の場にアンタップ状態の《竜王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》がいるにも関わらず、予示クリーチャーをレッドゾーンに送った。裏向きのカードが《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》かもしれないという強烈なブラフを仕掛けたのである。
このように相手が大きなリスクを背負ってブロックに向かったところで、得られるリターンがあまりにも小さいような場面は“殴り得”である。
20点の内の2点のダメージで決着がつくことはそうそう無いだろうという判断もあったが(実際にこのゲームは彼が勝った)、本来なら通らないはずの攻撃を通せたのはブラフがうまく効いたからだ。
3.変異と予示におけるブラフ
変異と予示のメカニズムがスタンダードの環境に存在し続ける限り、裏向きのクリーチャーには常にブラフを仕掛けられるチャンスがある。
その一番の理由は何といっても《棲み家の防御者/Den Protector》と《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》の存在があるからだろう。
5ターン目に墓地を見ながら《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》を変異で唱えたとしたら、誰しもそれが《棲み家の防御者/Den Protector》だという錯覚にとらわれてしまうのだ。ブラフの腕の見せ所である。
4.敗色濃厚である場面でのブラフ
ゲームの負けがほぼ確定している場合は、次のゲームを勝つためにターンを費やそう。
仮にフライヤーによって2ターン以内に負けてしまうような場面なら、地上のフルアッタクを繰り返して相手を試してやるのが良い。こんな行為ですらブラフになり得るのだ。
例えこのような場面でブラフを仕掛けたとして、盤面が好転することはまず無いのだが、突如としてフルアタックを仕掛けられた時の相手の反応を窺うことができれば、それは次のゲームに活かせるかもしれない。
5.中級者以上上級者未満とのマッチアップでのブラフ
TOP8にはよく入るものの、中々勝ち切れず、それでいてTOP8で満足しているような中級者以上上級者未満の人間は、自分のミスを恐れ、なおかつ“うまぶりたがる”傾向にある。
そういう人を相手にした時こそがチャンスだ!堅実なプレイと的確な状況判断に裏打ちされたブラフでしゃくってやれ!
以上翻訳
※記事の構成上、原文とは順序が異なる部分と割愛された部分があります。
最後を言いたいが為の記事でした。
語り
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